IT業界で専門職の1つであるWebエンジニア。人気の高い技術職の1つです。
「WebエンジニアってSEと違うの?」
「文系でも就職できるの?」
「労働環境ブラックなの?」
など色々とWebエンジニアに対する疑問が浮かぶと思います。そこでWebエンジニアの仕事内容や将来性、おすすめのプログラミング言語、未経験からの就職方法について解説したいと思います!
どっちが将来性あり?WebエンジニアとSEの違いとは
WebエンジニアはWebサービスを作る会社で働いているエンジニア(プログラマ)のことです。
Webサービスとは、LINEやアメブロ、クックパッドなど普段のインターネットで使うような馴染みのあるWebサイトのことです。
エンジニアには大きく分けると「Webエンジニア」と「Sierエンジニア」に分けることができます。
SIerエンジニアはシステム開発会社で企業の業務アプリケーションなどを開発するエンジニアのことです。SIerエンジニアといっても馴染みがない方が多いので、この記事内ではSE(システムエンジニア)としておきます。
ITエンジニアと言えばWebエンジニアも含みますが一般的にはシステムエンジニアをイメージしますね。
イメージとしては、Webエンジニアがセンスの良いオフィスで私服にMacBookでプログラミングしている働き方です。会社によっては自宅からのリモートワークも可能です。
一方のSEはスーツ姿でお客さんの会社で働いているイメージです。案件も企業の機密情報を扱うので、リモートワークなんて無理です。インターネットすら使えない職場も多いです。
プロジェクトの進行スタイルこそ違いがあるものの、どちらもアプリケーションを開発していて、開発段階やポジションによって「要件定義」「設計」「実装(プログラミング)」「テスト」などの仕事をしていますが、Webエンジニアとシステムエンジニアでは世間一般のイメージが全く違います。
どちらがオススメかと言えばWebエンジニアです。
システムエンジニアは基本的に客先常駐で自社にはほどんど戻らずに納品先の会社で働いているので、正社員でも派遣会社に勤めている感覚に近いです。ある程度年齢がいくと派遣先のプロジェクトマネージャーより年上になってしまうので、派遣されにくくなり、失業リスクも抱えています。プログラマとしても古い技術をいつまでも使っているので、エンジニアとしても市場価値が低いままなので、将来性もありません。
もし今現在エンジニアになりたいと思っているなら間違ってシステムエンジニアのルートに入らないように注意しましょう。
Webエンジニアって文系でも就職できるの? 未経験でも転職できる年齢は何歳まで?
このページを読んでいる方は未経験からWebエンジニアへの就職に興味がある方だと思います。
未経験からWebエンジニアに転職できる年齢は一般的に30歳程度までと言われています。
SEだと30代前半ぐらいまでなんとか大丈夫かもしれませんが、Webエンジニアは少人数精鋭で、システムエンジニアからWebエンジニアになりたい人も多いので、年齢的には30歳程度が限界です。ただし、もちろん30歳と25歳だと25歳の方が未経験から採用される可能性は高いです。
あと文系でもWebエンジニアってなれるの?
と疑問に思っている方もいると思いますが、Webエンジニアは文系でも十分なれます。
ただ、近年はWebエンジニアの中でもIoT・AIなどの分野などの需要が高まってますが、こういった最先端の分野は数学が苦手な文系出身者だと難しいかもしれません。あとゲームも数学や物理の知識が必要になるので、Webエンジニアの中でもWebブラウザで動くゴリゴリのアクションゲームとか作っている会社だと難しいかもしれません。
一般的なWebサービスの開発であれば、四則演算(足し算やかけ算)が中心なので文系でも十分務まります。
Webエンジニアの年収は?
Webエンジニアの年収が気になる方も多いと思います。エンジニアは同じような仕事内容でも学ぶ言語によって年収が違います。
2018年のプログラミング言語別年収ランキングがスタンバイ(ビズリーチ)から公表されているので紹介させてもらいます。
順位 言語 年収中央値 最大提示年収 求人数 1 Go 600 1,600 2,202 2 Scala 600 1,300 1,489 3 Python 575.1 1,499 9,344 4 Kotlin 575 1,200 961 5 TypeScript 575 1,200 667 6 R 674.8 1,000 220 7 Ruby 550 1,200 11,676 8 Swift 550 1,200 3,353 9 Perl 525 1,200 4,509 10 C 525 1,000 9,347
年収中央値が平均的な年収になります。言語によりますが、経験者なら大体500万円〜600万円程度で転職しているようです。また求人数として多いのがRubyの11,676件とPythonの9,344件でした。
プログラミング言語には流行り廃りがあります。たとえばPerlなんかは今はもう新規のプロジェクトではほとんど使われていません。Webエンジニアとしての年収を高めていくコツは、需要に対して供給が追いついていない言語のWebエンジニアになることです。つまり、新しく開発されたプログラミング言語で、これから需要が伸びる将来性の高い言語を選ぶことによって、年収1千万円超えする確度が格段に高くなります。2019年現在だとCotlin・Go・Pythonが年収を高めるのにはオススメの言語とされています。
ただし、未経験者はまずはWebエンジニアとして最初の実務経験を会社で身につけることが重要となります。
Webエンジニアの将来性ってどうなの? 在宅フリーランスにはなれる?
Webエンジニアの将来性ってどうなのかも気になりますよね。
一般的にシステムエンジニアに関しては歳を重ねるに連れて未来は暗くとなる可能性があります。大半のSEの勤務形態である客先常駐(ほぼ派遣社員)に対しては、否定的な意見も多いです。
自分は職業訓練でプログラミングを半年ほど学んでいた経験があるのですが、技術者としても優秀で人間性もしっかりした年配のSE出身者たちが職業訓練に来ているのを見ると、SEだけは絶対になりたくないと思いました。
一方のWebエンジニアですが、こちらも技術的を学び続けないと淘汰されていく可能性もあります。しかし、システムエンジニアと比較すると将来性は非常に明るいです。
主に以下の理由からです。
- Webサービス開発会社は年齢関係なくスキルの高いエンジニアを求めている
- 在宅や週4日以下などでも働ける案件が多い
- 優秀なエンジニアを採用する為に私服勤務やリモートワーク、オフィスの福利厚生が充実している
- 近年クラウドソーシングやエンジニア専門エージェントが発達し仕事が取りやすい
- Webサービス事業会社はベンチャーキャピタルの投資対象になりやすく資金がエンジニアの給与に還元されやすい
- 儲かっているWeb系ベンチャーは優秀なエンジニアに破格も年収を提示する傾向がある
- セルフブランディングしやすく、直接仕事の依頼が来やすい
- 女性スタッフも多く会社全体に華がある
- 色々なスキルが身につきやすく市場価値を上げやすい
Webエンジニアはシステムエンジニアのように企業の機密情報は扱わないので、在宅でも仕事ができてしまいます。フリーランスにもなりやすかったり、メガベンチャーへの転職ができる程スキルが身についたりとメリット満載です。
職業訓練ではWebエンジニア出身者も1名ほどいました。ちょっと失業保険の給付期間伸ばす感じで遅刻もし放題で、見た目もチャラくて、学習態度もよくありませんでした。
ただ、その方は訓練も終盤に差し掛かると一番最初に転職が決まってました。
Webエンジニアになるには?どのスキルや言語が必要?
是が非でもシステムエンジニアではなくWebエンジニアになりたい方が大半だと思いますが、どのプログラミング言語を学ぶべきなのか気になりますよね。
間違ってもJavaは選ばないでください。プログラミング言語のJavaはシステムエンジニアが使う典型的なプログラミング言語です。「未経験からJavaエンジニア!」などの求人広告を見かけますが、社畜言語のJavaに安易に飛びついてはいけません。Javaが扱える技術者は山ほど存在しますが、SIer業界が実質派遣でブラック(長時間労働・給与低い・レガシーな開発環境)なので、離職率が高いだけです。
Webエンジニアに未経験から就職するために、学ばなければならない言語ですが、主に以下のスキルが必要です。
- HTML
- CSS
- JavaScript
- サーバサイドのプログラミング言語(一番重要)
- MySQL(データベース)
Webエンジニア大きく分けると「フロントエンドエンジニア」と「サーバサイドエンジニア」があり、上で紹介した言語のうち、役割分担があります。
フロントエンドエンジニアとは?
フロントエンドエンジニアとはHTML・CSS・JavaScriptなどを利用して開発します。Webサービスの見た目の部分を開発します。Webブラウザ側でアニメーションするスクリプトを書くのが典型的なフロントエンドエンジニアの仕事です。
HTML・CSSも使いますがこのあたりはWebデザイナーとも領域がかぶります。HTML・CSSは厳密に言えばプログラミング言語ではなくマークアップ言語です。純粋にプログラミング言語といえるのはこの3つの中ではJavaScriptだけです。
ということでフロントエンドエンジニアは主にJavaScriptを扱うことが多いです。
このフロントエンドエンジニアの特徴としていつも新しい技術を追い求める必要性があります。理由はJavaScriptを直接記述するというよりも、JavaScriptのライブラリやフレームワークを利用することが多いからです。そしてそのライブラリの流行り廃りが激しい為に常に勉強しなければなりません。また、Webブラウザやスマホ・PC側も常に変化し続けているのも技術の衰退が激しい理由の1つです。
JavaScriptのライブラリ・フレームワーク例
- jQuery
- Vue.js
- React.js
- Angular JS
フロントエンドはブラウザ側でロジックが完結して、見た目も派手なので扱っていて面白いのですが、学んだことがすぐに廃れてしまうのがデメリットです。
また求人数がサーバサイドのWebエンジニアと比較すると少なかったり、JavaScriptだけ使えても新卒以外は就職に結びつきにくかったりします。だから、フロントエンドエンジニアを目指すと、色々大変です。
サーバサイドエンジニアとは?
もう一方のWebエンジニアがサーバサイドエンジニアです。サーバサイドエンジニアはWebブラウザではなくWebサービスのデータの保管場所であるサーバ上で動くプログラミング言語を駆使して、Webサービスに必要なログイン情報、SNS、コメント、決済機能などを実装するエンジニアです。
一般的にWebエンジニアと言えばサーバサイドエンジニアを指すことが多いです。求人数もサーバサイドエンジニアの方が多い傾向にあるので、未経験からの就職となるとサーバサイドエンジニアを狙っていくのが鉄板の攻め方になります。
サーバサイドエンジニアのデメリットとしては個人情報や決済機能などを扱うので、バグが発生した際には情報漏洩などの責任重大な事態に発展しやすいです。
しかし、フロントエンドのように1年後には新しいフレームワークや大幅な仕様変更が登場して学び直さないといけないことはなく、一度習得すれば、比較的その技術を長く使い続けることができるメリットがあります。プログラミング言語が変わっても本質的な考え方は大きく変わりません。
ということでフロントエンドエンジニアかサーバサイドエンジニアを目指すことになりますが、就職活動の段階では最低限どちらのスキルも必要になります。
未経験からWebエンジニアとして就職する場合は、基本的に大手企業ではなく中小のWebベンチャーとなります。中小企業では大手企業ほど分業が進んでいないので、1人でオールラウンドを戦える「フルスタックエンジニア」が求めらる傾向にあります。だからHTMLやCSSも必要になります。
「HTMLやCSSはつまらないのでやりません」とは言えません。Webエンジニアは一度職歴作れば大企業に転職できるので、1つの言語を極めたい方は将来的には分業が確立されている大手企業を狙いましょう。まずは中小Webベンチャーで経験を積んでください。
ということで基本的にサーバサイドエンジニアとしてのスキルが最も重要ですが、HTMLやCSS、さらにフロントエンドエンジニアとしてのJavaScriptやそのフレームワークであるjQueryあたりは基本的なレベルで構わないので触れるようになっている必要があります。
あと、あとデータベース管理システムでMySQLというものがあります。
ユーザーの個人情報などをエクセルみたいな感じでリスト管理するシステムです。サーバサイド言語とデータベース管理システムはセットなので、基本的にサーバサイドのプログラミング言語を学ぶ際に一緒に学んでいくことになります。
さて、未経験からサーバサイドのWebエンジニアとして就職するのに一番重要なのがサーバサイド言語選びです。
これの選び方で就職のしやすさが決まります。2019年現在未経験からWebエンジニア就職するのにおすすめなサーバサイドのプログラミング言語はRuby・PHP・Pythonです。
Ruby
Rubyは今最も多くのWebサービス開発会社が採用しているプログラミング言語で求人数も多いです。日本生まれですが、世界的に有名なプログラミング言語です。Webエンジニアになりたいのであれば、Rubyを勉強するのが最も近道です。
Rubyのメリットはコードが簡単なのでプログラミング初心者でも学習しやすいことです。またプログラミングは、よく使うような機能を誰でも簡単に実装できるフレームワークというコードの塊が存在して、プログラミング言語と平行して学ぶことが多いです。言語によってはフレームワークが乱立していますがが、Rubyの場合にはRails(Ruby on Rails)一強なので、どのフレームワークを学ぶべきか非常に明確で、学習するための教材も豊富にあります。
PHP
PHPは数年前に全盛期を迎えてWebサービス開発の主役をRubyに明け渡したイメージがあります。しかし多くの企業の公式Webサイト・オウンドメディアで利用されているWordPressがPHPで開発されていることもあり、Web制作関連では今後も末長く需要が続く可能性が高いです。
PHPもRubyと同じく学びやすい言語なので、PHPとRubyの両方できるとフリーランスになった際には、つぶしが利くでしょう。
またWeb制作は案件が多いので、フリーランスにもなりやすかったり、自分でWordPressのテーマを作成して販売するといった面での可能性も広がります。
ただし、PHPは開発環境がモダンな場合とレガシーな場合があり、会社選びが少し面倒です。もし、間違って転職しにくいレガシーな会社に入社してしまいそうだと感じた方は、無難にRubyを学習することをおすすめします。
Python
Pythonは世界的にはJavaに次ぐ普及率ですが、日本ではPHPやRubyとキャラがかぶるので、あまり利用されていませんでした。しかし、最近はIoTやAIなどの機械学習(ディープラーニング)の分野でPythonのライブラリが充実しているということで、日本でも求人数が急上昇中です。Pythonエンジニア数が足りていないので、今最も求人数や給与などの総合バランスが良い言語です。
Pythonを必要とする企業がちょっと理系よりなので、PHPやRubyと比べて文系の方には厳しい分野になってしまいますが、理系が得意なPythonエンジニアにとっては一番高い給与で自分を売り込めるチャンスが到来しています。
未経験からWebエンジニアとして就職する為の求人サイト
プログラミング言語を学んだ後は実際どのようなアクションをして就職すればいいのか解説します。
Webエンジニアになるには資格は必要ありません。しかしポートフォリオ(自分でコーディングした作品)を提出する必要があります。ポートフォリオの出来で、ほぼ未経験から就職できるかどうかが決まります。
何を作ればいいか悩むと思いますが、キャリアカウンセラーに聞いたところ自分の興味のある分野で、コピペをせずに自分の実力を出し切った熱意のある作品であれば、作るものは就職先の事業と関係なくても構いません。
ポートフォリオが完成して、求人を探すサイトですが、リクナビNEXT、マイナビ転職、エン転職などの総合転職サイトではなく、エンジニア特化系の求人サイトを選びましょう。
たとえば以下のようなサイトがエンジニアに強い求人サイトです。
特にWantedlyを利用する方が多いですね。「未経験可」とは書いていなくても積極的に応募してみてください。未経験可と書いてしまうと、優秀なエンジニアがレベルの低い環境で働きたくないからと応募してこなくなるので書かれていないことが多いです。
Webエンジニアへの未経験からの就職に強いプログラミングスクール
最後に未経験からWebエンジニアになるのにおすすめのプログラミングスクールを紹介したいと思います。
自習でプログラミングを学ぶことはできても、実際にWebエンジニアとして就職するためのポートフォリオを1人で完成させるのは至難の業です。
エンジニアの求人の多くはシステムエンジニア系で、Webエンジニア系は求人数の絶対数が少ないです。SE経験者も競争相手になりますし、求められるスキルも高くなります。
そこで、Webサービス会社で開発経験があり採用担当者としての経験もある方からのアドバイスが不可欠になるので、プログラミングスクールでメンターに添削してもらうのが就職には最大の近道です。
プログラミングスクール自体は数多くありますが、ポートフォリオの添削がしっかりしていて未経験からのWebエンジニア就職に強いのは、以下のプログラミングスクールです。
テックキャンプ(転職) | Rubyが学べて就職保証がある数少ない結果にコミット型 |
テックキャンプ(教養) | 人気が高いオンラインスクールで値段が格安。WebアプリケーションコースでRubyエンジニアの知識が身につく |
テックブースト | テックアカデミーとテックエキスパートの中間あたり |
ギークジョブ | 無料プログラミングスクールでRubyとPHPが学べる |
学習すべきプログラミング言語としてRuby・PHP・Pythonがオススメしますが、IT業界全く未経験であれば、まずはRubyでポートフォリオを組むのが最も就職できる可能性が高いです。
テックエキスパートで目指せるのはRubyエンジニアだけですが、数少ないRubyのプログラミングスクールでの就職保証が行われています。就職保証されているので、自分が諦めない限り、必ずどこからの企業から内定をもらうことができます。そのかわりお金を支払えば誰でも受講できるわけではなく、審査に合格した方のみ受講することが可能です。学習環境はオンラインの他に、東京・名古屋・大阪に教室があります。
テックアカデミーはコスパ最強の格安オンラインプログラミングスクールで受講生専用の求人紹介、キャリアサポート体制があります。
テックブーストはその中間。目指せるのはRubyかPHPエンジニアです。就職保証はしていませんが、求人の直接の紹介をしてもらうことも可能です。また面接対策やポートフォリオ対策などの就職サポート面もしっかりと行ってもらえます。そして4ヶ月目以降は割引価格が適応されるので、コストパフォーマンスがいいです。最大3割引になるので、ポートフォリオをブラッシュアップさせながら就職活動を続けていきやすい環境が整っています。また一度申し込むと、修了後もずっと学習動画や専用フォーラムを閲覧することが可能です。オンラインの他に東京には教室があります。
最後のギークジョブですが、数少ない良質な無料プログラミングスクールです。無料スクールでは珍しくPHPやRubyといったWeb系言語が学べます。最終的には東京での就職活動が前提となりますが、学習自体はオンラインで進めることができます。